ちなみに、これまでのぞっこんカメラたちはこちら。
04の今回は、ちょっと個性的なトイカメラのことを。
ロモグラフィー社誕生のきっかけでもある「LOMO LC-A」。
最近ではあまり使わなくなってしまったものの、大学生の時にどうしても欲しかった一台。当時既に生産終了していたものだったので、オークションで一生懸命に探して手に入れたカメラです。
小さくてお茶目なトイカメラ
トイカメラというと、有名なところでは「ホルガ」や「ダイアナ」などでしょうか。本格的なカメラとは違って、例えば合成樹脂等のおもちゃのような素材で作られたカメラのことを指して、わたしが学生のころに一大ブームだった覚えがあります。(わたしの中で、かもしれませんが、、、)
この「LC-A」もトイカメラと呼ばれるものの一台で、ポケットにも入るくらいの小さなボディがとてもかわいらしいです。
(比較対象のセレクトを誤った気がするのですが)こちらもかわいらしい「リコーオートハーフ」と同じくらいのサイズ。
そして、ゆるくてかわいいポイントのひとつ。シャッターを閉じている時にはかわいいイラストが。通称「ロモ蔵」マークです。
かわいくてもずっしり、機能もちゃんと
素材は硬質プラスチックがメインのようなのですが、持つと意外になかなかずっしりとした感触。真っ黒なボディも、レトロなカメラ好きの心を掴みます。そして、機能もなかなかしっかりなのです…
絞り
絞りというのは(果てしなくざっくり言うと)、レンズの穴をどれだけ開閉するかを決めて、採り入れる光の量を調整する機能。「LC-A」ではボディ左側(正面から見て)のレバーで調整でき、F2.8からF16までの6段階にプラス「A(オート)」となっています。
なのですが。
実はここには致命的欠陥があるようで、特定のF値を指定するとシャッタースピードが1/60秒に固定されるのだそう。
で、なかなか思ったように調整するのは難しかったりします。
このちょっとしたゆるさ?もトイカメラらしさかもしれませんね。
焦点
ピント合わせはゾーンフォーカス式。被写体までの距離に応じて、ボディ右側(正面から見て)のレバーで調整します。
- 0.8m
- 1.5m
- 3m
- Infinity
フラッシュは別パーツ
フラッシュは別パーツになっていて、ホットシューにガチャンと!合体ロボ感があって、とても素敵です。LC-Aで撮った写真たち
手元にあった古いプリントたちですが。ちょっと淡くてノスタルジックな写真
先程の絞り値の調整やフィルムの選択で、わざと明るめに撮ったもの。
ちょっと淡くてノスタルジックな仕上がりと、ふわっとしたピントが好みです。
コントラスト強めもやっぱり捨てがたい
コントラストや彩度が強め、そして少しトンネル効果(周辺光量落ち)。のこちらのほうが、いわゆるロモ写真といった感じかもしれません。
Instagramで『LO-Fi(ローファイ)』というフィルターがありますが、元々は『ロモファイ』。これがまさに「LC-A」を意識したフィルタのようです。
これはこれで、お気に入りの雰囲気。
「LC-A」の作例としてよく見かける、もっとぐっとコントラストがきつい、おもちゃみたいな写真も素敵なのですが、手元には見当たらず…どうやらわたしはふんわり撮影の傾向があるみたい。
ぜひ、ザ・ロモグラフィーな写真にも挑戦したいものです。
「LC-A」と「LC-A+」のこと
わたしの持っているものはロシア製の「LC-A」なのですが、冒頭でもちょこっと書いたように、実はこちらは2005年4月末に生産終了。現在普通に手に入れることができるのは「LC-A+(プラス)」というもので、生産工場を中国に移し、ロシアから中国に技術継承することで復活した再販版。
(「LC-A」が生まれ、生産終了、そして復活するまでには壮大な歴史があるのですが、それはぜひこちらのサイトで)
オリジナル「LC-A」と「LC-A+」の主な違いは次のようなもの。
基本的にはいろいろパワーアップしています。とはいえ、やっぱりオリジナル「LC-A」の人気も根強いはず…!
項目 | LC-A | LC-A+ |
---|---|---|
絞り | レバーあり(7段階) | レバーなし(絞りオート) |
ISO | 25~400 | 100~1600 |
ケーブルレリーズ穴 | なし | あり |
多重露光スイッチ | なし | あり |
気まぐれに振り回される感が楽しい
フィルムの種類、絞りや焦点の設定、被写体選び…そして高品質ではないからこそ生まれる気まぐれ挙動。によって、思いもかけない写真が切り撮れるのが、トイカメラのおもしろさです。ロモグラフィー社のカメラには「LC-A」以外にも、「カラースプラッシュカメラ」「アクションサンプラー」「フィッシュアイ」などなど。強烈な個性のカメラたちが他にもたくさん。(わたしもあと数台所持しています…)
補正をしたり加工をしたり、デジタルでいろいろできる時代ではありますが。
偶然にしか出会えないキセキの1枚を、時折このかわいくおとぼけなトイカメラを連れ出して、まだまだ楽しんでいきたいなと思います( ˘ω˘ )